【幼いころのあこがれ】最終話:あの頃のあこがれ

【シリーズ】幼いころのあこがれ

夜が更ける。

パソコンの画面には新着のメールが届く。

今日が納期となっていた仕事は、なんとかOKが出たようだ。

サラリーマン時代は、毎朝9時からの勤務だったが、

フリーになると、時間が安定しない。

クリエイターたちは夜型の人が多く、それに伴い、

私の生活も自然と夜型となっていた。

窓に写る自分の顔が、かなり老けこんで見えた。

昔は「大人になった」と表現できていたものが、気がつけば

「老けた」と表現を変える。

幼いころは嬉しかったことのはずだったが・・・。

私は周囲の友達と比べて、体の成長が早いほうだった。

小学6年生にもなると、身長は160㎝に達しており、下の毛も生え始めた。

それまでは堂々と行っていたことを恥ずかしく思うようになり、

授業で分かった問題に対して手を挙げて答えることや、

音楽の時間に歌うこと、全力で体育の授業に取り組むことなどを

嫌がるようになっていた。

成長の早さで言うならば、男子よりも女子の方が早いというのは有名なことだろう。

5年生頃から水泳の時間を見学する子が増えていた。

泳げないことが理由ではない。

前週の水泳ではプールに浸かっていた仲の良い子が、翌週は水着にすら着替えない。

理由を聞いても「ちょっと体調が・・・」と濁す。

今になって思えばデリカシーのかけらもない質問をぶつけていたなと思うものだが、

当時はまだ女の子の日など存在を知らない。

致し方ない質問だろう。

精神的に男子はまだまだ子供だ。だが、女子は違う。

4年生頃まではなかった無視などの陰湿ないじめや嫌がらせ見かけた。

グループによる対立や陰口は目にしてきた。

クラスのアイドルだったあゆみの存在は、1つのグループを失墜させた。

私と同じように、何かをするうえで恥ずかしがる子が多くなっていた。

恥じらいを覚えた女の子たちは、

いつしかスカートの中に体育で使う短パンを履くようになっていた。

昨年までは当たり前のようにパンチラしていた子たちが、高学年になり、

パンツが見えないようにガードすることを覚えた。

高学年になり、パンチラを見る機会は格段に減っていた。

それでもたまに見えることもあるのだが、毎日のようにパンツを見せていた

4年生までの記憶を強く思い出そうとする日も少なくなかった。

だからこそ、6年生になってもあゆみやちーちゃんのパンツは鮮明に記憶に残る。

月日は流れ、6年生の秋を迎えた。もう半年もすれば中学生になる。

そんなある日のこと。

その日は音楽室に数クラス集まっての集会が行われていた。

体育館に集まるほどの人数ではないときなど、

通っていた小学校では教室よりも広い音楽室で集会をすることがあった。

とはいえ、2~3クラスの生徒が集まるので、

音楽室に常設されている机と椅子は室内の端に寄せ、全員が床に座ることになる。

先生たちが生徒に向けて何かしらの話をしている。

恐らくは、「制服の乱れが~」とか、「もうすぐ中学生になるから~」とか

そんな類の話だろう。

真面目を地で行くような生徒以外はほとんど聞いていない話だ。

ひととおり話が終わる。

普通ならば解散となり、各自教室に戻るのだがこの日はなぜか休憩だった。

どうやら学年の先生の話が終わったあとに、

校長先生のお話の時間が予定されたいたが、

肝心の校長先生がまだ音楽室に来ていないようだった。

「校長先生が来るまで静かに待機」と進行役の先生が言うものの、

生徒たちは一斉に近くの友達とおしゃべりを始める。

私の隣にはちーちゃんが座っており、その後ろにはみーちゃんという子が座っている。そして、ちーちゃんの前にはあーちゃんが座っていた。

この3人はよく一緒に休み時間を過ごしている仲良しグループだ。

3人ともまじめだが空気を読むこともでき、

教室内が盛り上がっているときなどは一緒に楽しむノリの良さも持ち合わせる。

ただ、この3人は成長した女の子たちだ。

3人のうちあーちゃんだけは3年生の頃からクラスも一緒だったため、

当時の彼女が、ドッジボールが得意な活発な女子だったことを知っている。

しかし、高学年になると彼女は落ち着きを持つようになった。

外を走り回ることはなくなり、仕草も落ち着いている。

低学年時にちーちゃんとみーちゃんと同じクラスだったという友達に話を聞くと、

二人も、もともとは運動大好きで元気な女子だったという。

清楚で、高嶺の花的なちーちゃんも、そのような活発女子だったというのは驚きだが、

3人は成長し、落ち着いた大人に向かっていた。

同じような経緯があるからか、この3人はとても仲が良く、

他の女子グループで見られるような「突然の仲間外れ」などは

卒業まで一度も起きていなかった。

話を戻すが、校長先生が来るまでの急に空いた時間。

仲良し3人組で先頭に座っているあーちゃんが後ろを振り返り、

ちーちゃん・みーちゃんとおしゃべりを始める。

私はこの3人とはそれなりに仲良くはしていたが、

別の男子から話しかけられていて、女子3人の輪には加われなかった。

あーちゃんとは、3年生のときに同じクラスになり、

そのころから昼休みなんかにはよく一緒になって遊んでいた。

帰宅後に一緒に公園で遊んだり、放課後に二人で教室に残ってだべったりもした。

5年生になると、女子間のパワーバランスを教えてくれたりもした。

同じクラスで4年間を過ごし、その中で、

徐々にではあるがあーちゃんが女の子から女性に成長する過程を見ていた。

小学生ながら、年を追うごとにどんどんきれいになっていく。

噂ではあーちゃんは私のことが好きだという話も聞いたことがある。

だが、恥ずかしく、勇気が出ず、聞くことはできなかった。

あーちゃんが気になったが、今は目の前にいる友達との会話だ。

おしゃべりをしながら、ちらちらと目だけはあーちゃんたちの方を向いてしまう。

最初は顔だけを後ろに向けて3人組の会話の輪に加わっていたあーちゃんだったが、その体勢に疲れたのか、からだ全体で振り返っておしゃべりを始めた。

男友達と会話をしながら、体ごと後ろを振り返ったあーちゃんを、

斜め後ろに座っている私の目が追う。

あーちゃんの顔・・・体・・・スカート・・・

ただ、私は知っていた。

あーちゃんも、ちーちゃんも、みーちゃんも

3人とも日常的にスカートの中には短パンを履いている。

3人はもう成長した女の子だ。

パンツが見えないように最低限の備えはしている。

だが、それでも

・・・スカート・・・・スカートの中

と私は目を向けてしまう。

あーちゃんはちーちゃんたちに体を向けた後、体育座りをのような体勢となったが、

やはり見えた景色は短パンだった。

それでいて、短パンと足の隙間をなくすように両腕でふともものうらを抱き込んでいる。

やっぱりな。

残念に思いながら私は眼前の友人との話に集中しようとした。

そのとき、ふと、あーちゃんと目が合った気がした。

あーちゃんはすぐにちーちゃんたちの方を向く。

仮に目が合ったとしても、偶然だろう。よくあることだ。

でも、その後も数回、あーちゃんからの視線を感じる。

私も気になってあーちゃんをついついチラ見してしまう。

さっきの偶然はどうやら気のせいではなかったようだ。

そして目が合ってはすぐに視線をそらす。

そんなことをお互いに何度かしているうちに、

短パンを抱え込んでいたてはずのあーちゃんの両腕は、

おしゃべりの身ぶり手ぶりに変わっていたことに気づいた。

だが、まだ短パンと足の間にはスペースはできていない。

さっきまで両腕でふとももを抱き込んでいたので、

膝と胸がくっつくような位置にある。

急勾配となった短パンの壁は、その裏地に隙間の創出を許していなかった。

だが、

もう一度あーちゃんと目が合う。

すると、あーちゃんが自らの足を1足分ほど前に出す。

短パンの壁は突如として緩やかな角度となり、短パンと足との間に、

ついにスペースが生まれる。

もともと運動が好きだったあーちゃんの足は引き締まっており、

短パンのトンネルを埋める余分な肉がない。

そして、短パンの隙間からはっきりと目に飛び込んでくる。

淡くうすいピンクだ。

高学年になってからははじめて見たあーちゃんのパンツ。

それは低学年のころに見た、厚手でぶかぶかしたものではない。

生地は綿だろう。

たが、そのフォルムは薄くなっていてお子様が履くそれではない。

小学生くらいの女の子が履くそれは、分厚いゴムで縁取られるものが多い。

だが、今見えているその生地には、厚手のゴムはうかがえない。

色もよくある白ではない。

おしゃれを意識する年頃でもある。

淡くうすいピンクは彼女に良く似合っていた。

さすがにガン見とまではいかなかったが、私の視線は何度も何度も、

あーちゃんの短パンの奥に向く。

ちらちらと繰り返し視線を送る度に、

あーちゃんの淡いピンクは存在感を増していく。

ちーちゃんが、それまでの会話とは関係ない言葉を小さな声で発した。

「あーちゃん、見えるよ」

やや苦笑いするかのような言い方で、あーちゃんに指摘する。

しかし、あーちゃんは

「なにがー?」

と笑って返事する。

「パンツが」とちーちゃんが言えなかったのは、

彼女もまた成長した女の子だったからだろう。

ちーちゃんは少しあきれたように、元の会話をはじめる。

ちーちゃんもみーちゃんも「気づかないならしょうがない」と思ったのか。

強い指摘は、その分だけ本人に与える羞恥も強くなる。

2人はあーちゃんに配慮したのだろう。

だが、

あーちゃんは自分がパンチラしていることを自覚していた。

ちーちゃんへの「なにがー?」という返事。

あの時、返事をするあーちゃんの目は、一瞬私にも向けられた。

私とあーちゃんは、ばっちりと目が合っていた。

あーちゃんは指摘してくれたちーちゃんでも、みーちゃんでもなく、

私の目を見ていた。

そして、「笑って返事する」と言っても、その顔は無垢な満面の笑顔ではない。

どこか企みのあるようなニヤついた笑みだったのだ。

あーちゃんは私にパンツを見られているのに気づいていた。

それでいて、パンツを見る私の反応を楽しんでいたのだ。

あーちゃんのピンクとその微笑は、私を刺激した。

その後ほどなくして校長先生が来室し、数分間のお話ののちに集会は終わった。

解散の号令がかかっても、固まったままの部位を残す私は

教室までまっすぐ立って歩くことができなかった。

その後あーちゃんからのアクションは何もなかった。

その日だけではなく、何日が経過しても、私たちの関係は変わらなかった。

そして、そのまま私たちは小学校を卒業した。

あーちゃんとは同じ中学に進学したが、クラスが一緒になることはなかった。

それでころか、通っていた中学は人数の多い学校であり、

3年間隣のクラスになることもなかった。

中学生と言えば、多くの子たちが性に目覚め、異性との交際を始める子もいる。

幸い、私も数人の子から好きだと告白してもらえ、人生初の彼女もできた。

だが、疎遠となった私とあーちゃんの間に特別な関係が生まれることはなく、

それぞれが別の高校に進学したと知った。

ひさしぶりに彼女と言葉を交わしたのは成人式の日だった。

大人になったあーちゃんはとても綺麗だった。

振袖や化粧の効果だけではない。

あーちゃんはおそらく何を着ていても、ただただ綺麗だっただろう。

緊張しながらも「久しぶり~」といくらかの会話を交わして、式典を迎えた。

式典を終えると簡単な立食パーティーがあり、私はあーちゃんを見つけて話しかける。

あーちゃんは近況を教えてくれた。

中学時代は最後の最後まで疎遠だったため、私は知らなかったのだが、

あーちゃんは中学卒業と同時に引っ越しており、

以降はこの町から離れたところに住んでいた。

成人式に参加するために今日だけ戻ってきたのだと教えてくれた。

また、社会人としてすでに仕事をしているため、

明日には今の住まいに戻らなきゃいけないことも教えてくれた。

数年ぶりの再会。

だが、この時間はもう間もなく終わりを迎える。

寂しさというべきか、後悔というべきか、それともまったく違う言葉なのか・・・。

説明しようのない感情が湧き上がってくる。

ただひとつ、はっきりわかることは、彼女との関係をもう手放したくないということ。

彼女が引っ越したと知った日、私は言いようのない喪失感に苛まれた。

なんで、クラスが違うことを自分自身に言い訳してたのか

なんで、廊下ですれ違っても気づかないふりしてたのか

なんで・・・

勇気を出せない理由を探していたのか

もう、あの頃と同じ思いはしたくない!

その感情を私は抑えられず、同窓会のあとに会えないかと彼女に伝える。

「少しだけならね」と、彼女は約束してくれた。

成人式を終え、いったん落ち着いた夕方以降、

中学3年次のクラスごとに同窓会が開かれた。

同窓会では旧友たちとひとしきりお酒を飲み、バカ騒ぎをした。

それはそれで楽しかったが、あいにく酔いつぶれるわけにはいかない。

「宴も闌」のころ、私はあーちゃんに連絡を入れる。

あーちゃんは泊っているホテルを教えてくれた。

私たちはホテル近くの公園で落ち合った。

念のために書いておくが、私は彼女じゃない女性とそういうことをする気はない。

だからあーちゃんが宿泊する部屋にはお邪魔しなかった。

缶チューハイとジュースで乾杯し、ふたりだけの時間を過ごす。

最初こそぎこちない会話だったが、旧知の仲だ。

次第に緊張は解け、最近のこと、離れ離れになった高校時代のこと、

中学時代のことなどを話す。

ふたりが共有できなかった時間。

思春期という時期が、それぞれに重しとなり、気づかないふりという行動を生んだ。

その重しを振り払う勇気を持たない理由を自分で作っていた。

お互いがそのように過ごした時間を、遮ることなく、微笑みながら聞く。

話題は小学生時代へと話は移行した。二人が共有した時間だ。

私だけでなく、あーちゃんにとっても今日の本題はここだった。

そして、ふたりは同じことを考えていた。

私とあーちゃんは、お互いにゆっくりと確認していく。

あーちゃんのことが好きだった

あーちゃんも私を好きだった

“あーちゃんは私のことが好き”という噂を聞いていた

“私があーちゃんのことが好き”という噂をきいていた

あーちゃんは、ちーちゃんが自宅に私を呼ぶことを嫉妬していた。

私は、みんながあーちゃんに話しかけることを嫉妬していた。

怖くて確かめられなかった。

あの時には聞けなかった。

そして、言えなかった言葉。

この日、二人は初めてお互いの口から聞くことができた。

今現在、それぞれに彼氏・彼女がいることも先の会話の中ですでに確認済みだ。

あの頃のあこがれ気持ちが、これから実を結ぶ方向へは向かわない。

ただただ、当時の気持ちを語りあい、懐かしみ、昔話に浸る。

ちょっとの後悔を感じる。

でも、それ以上に強い満足感を得る。

嬉しさや悲しさ、儚さや充実感

さまざな感情が入り混じり、

気がつけばふたりとも、

やわらかな笑顔のまま、

目にはうっすら涙を浮かべている。

気恥ずかしくなった私は、思い出話の途中で記憶にフラッシュバックした

音楽室でのできごとを聞いてみた。

私の勘違いである可能性も高く、そうであればあの日のことなど

普通は覚えているはずがない。

相当な勇気を要したが、いまはそれよりも泣きかけたことの方が恥ずかしい。

話題をそらす意味もふくめて聞いてみた。

ひとつ・・・ふたつ・・・

呼吸をおいてあーちゃんも照れたように話し出す。

あーちゃんはあの音楽室でのことを覚えていた。

好きな人の顔が見れるチャンスだから振り返ったんだ・・とか。

せっかく目が合ったのに、恥ずかしくなってすぐに目をそらしちゃってた・・とか。

そして、

何回か目が合ううちに、スカートの方を見てると気づいたこと。

最初は恥ずかしいけど、なぜか気づかないふりをしていたこと。

パンツが見えたらどんな反応するか見てみたくなったこと。

いたずらしてたらおもしろくなっちゃったこと。

その時のことを教えてくれた。

「ちゃんと〇〇くんにしか見えないように気を付けたんだからね」

「ちーちゃんから注意されてたじゃん」

「女の子どうしだから良いの」

彼女はいたずらに笑った。

バカげた話で、ふたりの目から涙は消え、微笑みだけが残った。

夜も深まり、私たちは別れの挨拶をする。

高校生になってから携帯電話を持つことができた私は、

中学時代に疎遠だったこともあって、

今日まで彼女の連絡先を知らなかった。

「やっと○○くんの連絡先ゲット~。離れてるんだから、たまには連絡してね」

「▲▲さんもね」

「・・・彼女とも末永くね」

「・・・お互いにね」

「じゃあ、また・・・」

「あ、▲▲さん。」

「何?」

「・・・昔は恥ずかしくて言えなかったけど、俺、他の子たちに憧れてたんだ。

 ずっと▲▲さんと話すみんなをうらやましく思ってた。

 

 本当はずっと言いたかったけど、

 これからは俺も

 あーちゃん

 って呼んでもいい?」

「・・・・やっとだよ。

 ずーっとそう呼んで欲しかったのに。。。。

 しょうがないから、特別に許可しましょう。 

 ・・・でもね、

 ・・・その代わりにね。

 10年以上呼んでくれなかったんだから、条件付きだよ。 

 今日からは死ぬまで私のこと 

 あーちゃん って呼ばなきゃだよ。

 私が結婚して名字が変わっても・・・ 

 変わらずに、気にせずに呼べるからね」

午前0時。

たったいま私は33歳の誕生日を迎えた。

隣で横になる妻は、スマホを触りながら普段よりも頑張って起きててくれた。

0時を迎えると「お誕生日おめでとう」とぎゅっとハグをくれる。

この年にもなると、学生のころのように

0時ぴったりにお祝いメールが殺到するなんてことはない。

そもそも、身内以外が祝ってくれることがない。

それだけいい年になったんだなと、老いていく寂しさを感じる。

ピンコン

LINEの通知がスマホを鳴らす。

お友達登録をした複数のサービスからクーポンなどのお知らせが届く。

誕生日だ。

バースデークーポンでもあるのかも知れない。

災害時にも利用できることを目的に開発されたこのアプリも、

今の私にとってみれば、企業広告を紹介するためのシステムと化している。

急いで表示することはしない。

明日起きてから確認しよう。

目を覚まし、顔を洗い、歯を磨く。

毎日当たり前に行っていることだ。

着替えを済ませて、一息つくころ、妻も起きてきた。

外出前にたまったお知らせをまとめて開こうとLINEのアイコンをタップする。

数件たまった新着お知らせの中に、企業以外の送信者がいる。

アイコン画像は、10歳くらいの女の子だ。

そのメッセージを開封する。

「○○くん、33歳おめでとう。って、もう誕生日が嬉しい歳でもないか。

 私もそうだったし。。。

 奥さんはお祝いしてくれた?まぁ、聞くまでもないよね。

 今夜は楽しく誕生日のお祝いをするんだろうね。

 ○○くんも奥さんの誕生日は盛大にお祝いしてあげなよ。

 末永くお幸せにね」

自分で言うのもなんだが、LINEに関してレスポンスはかなり悪い人間だ。

だが、毎年このメッセージにだけは確認次第、すぐに返事している。

「今年もお祝いメッセージありがとう。

 嫁とは仲良くしているよ。

 プロフィールの写真変わったんだね。

 ◇◇ちゃんも、ママによく似た美人に成長してるね。

 

 あーちゃんのご家庭も、幸せが末永く続きますように」

メッセージを打つ私の表情を見た妻が感づく。

「あーちゃんから?」

「うん」

「わたしの誕生日にはお祝いこないよ(笑)」

「女性だから年齢に関することには触れないだけでしょ」

「タメなのに?w

   私、体を壊したこともあるんだから、私の方にこそ生存確認必要じゃない?」

「俺に言うなよ」

「それに寂しいし嫉妬するじゃん。私よりも○○の方が大切みたいで」

「俺に嫉妬すんのかよ」

妻は怒ったふりをしたのち、質問を変える。

「ねぇ。何歳くらいまでに出会ってたら“幼馴染”って言えると思う?」

「急にどうした(笑)?

 まぁ、でも、幼馴染って物心ついたころには、

 すでに一緒に遊んでるようなイメージだよね。

 遅くても5歳くらいじゃない」

「8歳とかじゃ遅いかな?小学生になっても低学年はまだまだ幼いし」

「ん~。どうだろう。どうして?」

「だって○○とあーちゃんの関係って“幼馴染”って設定だったらすごく素敵じゃん」

「設定って(笑)。幼馴染じゃなくても素敵でいいじゃん」

「幼馴染なら3割増しでロマンチックなの。漫画みたいじゃん」

「お好きなようにどうぞ」

「・・・毎年お祝いしてくれる友達なんだから大事にしないとね」

「・・・大事にするよ。俺たちのことを『末永く』って言ってくれた最初の人だから」

あーちゃんから返事は来ない。

既読の二文字が表示されるだけだ。

成人式のあと、しばらくは不定期に連絡をとりあっていたが、

今ではお互いの誕生日にメッセージを送り合うだけとなった。

それでいい。

あの時から13年続く、年に2回の恒例行事だ。

この日、この時だけは、20年前を生きている。

私と、あーちゃんと、

私のとなりで微笑んでくれる、ちーちゃんの3人で。

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