名前に恥じない

おもらし小説

日本で一番多い名字は「佐藤」さんらしい。

“藤”の方は藤原鎌足から来ており、

“佐”の方は当時の役職である左衛門尉(さえもんのじょう)というものに由来がある。

これだけを見ると、それだけ藤原家を先祖に持つ方が多いように思えるが、

実際は異なるだろう。

名字帯刀が許されたのち、当時名字を持たなかった我々の先祖は、

貴族へのあこがれや、かつての身分を隠すために、

高貴な“藤”という文字を姓に加えたのかもしれない。

姓だけではない。名にも意味は込められる。

そこには生みの親による“願い”が込められる。

“優斗”という僕の名前には、

“北斗七星のように誰からも見られる存在になっても、優しさを忘れないでほしい”

という願いが込められているようだ。

・・・・美姫さんは・・・・

自分の氏名について由来を調べるという宿題。

今日の授業で各自が発表した際に、

「“お姫様のように美しく”という、文字のまんまでした。

 名前に負けてて恥ずかしい~」

そのように彼女は、照れ隠しをしながら発表していた。

成績が良いいが、それを鼻にかけるようなことはない。

みんなに対して優しい女の子。

顔はクラスの女子の中で真ん中くらいだが、人気のある女の子。

彼女に交際を申し込んだ男子も何人か知っているが、すべて玉砕しているようだ。

何を隠そう、僕自身美姫さんに思いを告げて、見事に散った人間だ。

だが、フッた男子に対しても、それまでと変わらずに接してくれる。

彼女の中に僕がいないのはわかっているから諦めたいのだが、

日ごろから笑顔で話しかけてくれる彼女が、そうさせてくれない。

今だってそうだ。

帰り道が同じ方角ということで、彼女はよく下校時に僕を誘ってくれる。

彼女にフラれてまだ日も浅いのに、僕は今日も美姫さんの隣りを歩いている。

人気のある美姫さん。

彼女がなぜ、誰ともお付き合いをしないのか。

ある日の帰り道に、彼女が教えてくれた。

顔がかわいいわけじゃない。

スタイルが良いわけでもない。

性格も勉強も普通だと思うし、スポーツで成功したり、

作文や絵で表彰されたようなこともない。

そんな自分が誰かとお付き合いしても、がっかりさせてしまうだけだ。

自分に自信がないから、相手に迷惑になると思ってしまっているようだ。

もともと自信のない彼女。

それに、追い打ちをかけるようなこともあった。

「ねー、聞いてる?さっきからぼーっとしてるけど、大丈夫?なにかあった?」

あの時のことを思い出す、上の空だった。

「あー、ごめん。ちょっと帰ってからやるつもりのゲームのシミュレーションしてた」

「もう。ゲームも良いけど、勉強もしなきゃだよ」

そんな会話をしながら、公園の角を曲がる。

多少広めではあるが、遊具は小さなブランコと滑り台、それから砂場だけ。

近所の子どもたちもあまり遊ばない公園。

公園のトイレから、黒いランドセルを背負った男の子が、フラっと出てきた。

キョロキョロと周りを見ている。どこかしら焦りのようなものも感じた。

普段はひと気のない公園。人影を感じただけで、目がそちらにいってしまう。

男の子を見かけた美姫さんが、公園の敷地に入る。

知り合いか?

僕も美姫さんの後を追った。

美姫さんが中腰の姿勢になり、目線の高さを男の子に合わせる。

「どうしたの?大丈夫?」

口ごもる男の子。

「大丈夫だよ」

優しい笑顔と口調で、美姫さんがもう一度男の子に話しかけた。

男の子の焦っていた顔は、みるみるうちにくしゃくしゃとなり、

「うわぁぁぁ~~~~ん」

とうとう声を出して泣き出してしまった。

「大丈夫。ほら。まずはちゃんと拭きに行こう。優斗、手伝える」

僕は無言でうなずく。

ズボンをひどく濡らしていた男の子に掛ける言葉が見つからない。

美姫さんは男の子の手を引いてもう一度トイレに戻り、

かばんから取り出した自分のハンドタオルを取り出す。

「大丈夫だよ。ちゃんと拭き取って・・・。

 これで、よし。

 少し気持ち悪いかも知れないけど、見た目には目立たないからね。

 でも、帰ったらお母さんには言わなきゃだよ。

 見た目でわからなくても、洗濯しないと臭いが残っちゃうから」

男の子は終始無言で、美姫さんの言葉に頷いていた。表情は暗いまま。

男の子の感情を汲み取った美姫さんが、一呼吸ついた。

「お母さんのことは好き?」

「・・・・・うん」

「私ね、君よりももっと大きい学年になってから同じ失敗しちゃったんだ。

 それも教室でね。

 みんなに見られて、すっごく恥ずかしくて。。。。

 教室で泣いちゃったんだ。

 でもね、仲良くしてくれてた友達も、親も慰めてくれて、

 みんなのおかげで、それまでと同じように学校でも生活できてるの。

 だからね、大丈夫だよ。きっと、受け止めてくれるからね」

半信半疑のような顔でもあったが、男の子の表情に少し希望の灯がともった。

「さぁ、帰ろうか」

美姫さんに促され、男の子は帰っていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中学生活もあと1年を切ったのかと、みんなが話題にしていた春先のこと。

「えっ? 何?」

国語の朗読をする生徒とは違う席から、女子生徒の驚いたのような声が聞こえてきた。

女子生徒の視線の先に、クラス中の視線が集まる。

教室の中央付近。

その席に座る女の子が、両手で顔を覆っている。

そして、みんなの視線の先にある椅子。

その足元には大きく水たまりが広がっている。

女の子は耳まで真っ赤に染めて、顔を上げられないでいる。

教室中が静かにどよめく。

数分後、保健委員の女子生徒に連れられて、彼女が教室を後にした。

「みんな・・・・。このことは忘れよう」

水たまりの清掃にひととおりの目途がたったところで、

ひとりの男子生徒が教室のみんなに聞こえるように声を出す。

「他のクラスにも、部活の後輩とかにも・・・・絶対に伝わらないように。

 もしかしたら、冷やかしたい衝動があるかもしれない。

 でも、もし自分が同じことをしたらって考えてみて。

 あんなに泣いてしまうくらい、恥ずかしいことだったんだ。

 それが関係ない人たちにも知られてしまうなんて・・・

 そんなことが無いようにしないと」

男子生徒の言葉に、教室の生徒たちが真剣な表情で頷いた。

日ごろから、男女分け隔てなく、どんな相手にも正直な優しさを向けてくれる

彼女だからこそ、みんなが守ってあげたいと思ったに違いない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「美姫さん」

「ん?どうしたの?」

「やっぱり・・・・僕は・・・美姫さんのことが好きです」

「・・・・ごめん。わたし・・・」

「あの男の子は、ぜったいに美姫さんの助けに支えられたはずだよ。

 他の人だったら見落としてしまうあの子を、

 美姫さんだから、救うことができた。

 美姫さんは自分のことを名前に負けてるって言ってたけど、そんなことはない。

 困っている人を助けることができる、本当に美しい心の持ち主だよ。

 そんな美姫さんのことが・・・やっぱり好きです」

「わたし・・・・汚いよ・・・・」

「誰よりも・・・・綺麗だよ」

「・・・何か起きたら・・・・また・・・・私のこと守ってくれる?」

「・・・・守らせてほしい」

僕にとって、彼女は紛れもなく、心の美しいお姫様だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おもらしが見たい方はこちら

パンチラが見たい方はこちら

パンチラHOLIC・152パンチラHOLIC・152 ★お嬢さんの逆さパンチラ動画 087★お嬢さんの逆さパンチラ動画 087

コメント

18歳以上ですか? 当サイトはアダルトコンテンツを含みます。 18歳未満の方、または高校生の方はご覧になれません。
タイトルとURLをコピーしました