この町には友達がいないから

パンチラ(単発)小説

誰のために?

何のために?

「合格」と親から教えてもらったときは、訳も分からずに嬉しかったことを覚えている。

でも、それは親が嬉しそうにしていたから、何か良いことをしたんだな程度に思っていた。

家を出て、5分ほど自転車をこぐ。
そして、いつもの電車に乗り込む。

4つ先の駅で電車を乗り換え、さらに30分ほど電車に揺られる。

こんな生活も、もう6年目だ。

私立の小学校に入学した僕は、毎日一人で通学をする。

地元の公立学校に通う子たちは、僕よりも30分以上遅く起きるのに、僕よりも1時間も早く帰宅する。

同世代の子たちが自転車で走り回る姿や、公園で遊ぶ姿を、僕はランドセルを背負ったまま、横目で眺めながら帰宅するしかなかった。

地元の町なのに、友達はいない。

3年生くらいまでは、そのことが嫌で仕方なかった。

いつしか、そのことにも慣れて、公園で遊ぶ同世代の輪に加わりたいと思うこともなくなったが、どこか寂しいような、うらやましいような気持ちはある。

あの子たちからすれば、毎日電車に乗って都会の学校に通学する僕のことを「いいなぁ」と思っているかも知れない。

まぁ、隣の芝はなんちゃらってことだろう。

だが、僕だって毎日片道1時間かかる通学時間を無駄にしているわけではない。

朝は最寄り駅が始発となる電車に乗るようになり、座って単語帳や教科書をみて勉強しながら通学している。

そして・・・

帰り道。

地元の駅に戻ってきた僕は、立体の駐輪所に向かう。

柱と柵、そして屋根だけで作られたような2階建ての立体駐輪所。

都会であれば駐輪所も有料で、管理人のおじさんたちが入り口にいるのだが、田舎はフリーで、管理人もいない。

小2のころから自転車で駅に行くようになった僕は、2階建ての立駐の1階、いつものところに自転車を停めていた。

1階はフリースペースだが、2階は地元にある唯一の学校が貸し切っている。

中高一貫の女子校。

僕が通う学校の高等部と比較すれば、大学進学実績は大したことのない学校だ。

駅からは徒歩だと15分ほどかかり、そこに通う生徒たちは駅からバスに乗るか、自転車で向かっている。

自分の自転車に辿り着く。

そこは2階へと向かうスロープの中腹辺りの下にあり、建物を支えるための太い鉄骨の柱のすぐ横になる。

その柱と自転車の間に、僕は身をかがめた。

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小3に上がったばっかりのころだった。

授業のコマ数が増え、2年生のころと比べて下校時間が1時間遅くなった。

夕方4時過ぎに最寄りに駅に着くと、日は傾いており、少し寂しさを感じた。

こうして、もっと遊ぶ時間を失うのかと思った。

だが、僕は駐輪所でそれまで意識していなかったことを目撃してしまった。

僕の通っている学校は系列の中等部・高等部ともに名門と言われている。

そのためか、一歩学校の外にでれば、犯罪に巻き込まれる可能性も含んでいた。

低学年のころから、担任の先生は防犯ブザーの使い方などを教えるだけでなく、女子生徒は狙われても大丈夫なように、制服のスカートの下にブルマやスパッツを必ず着用するように教えられていた。

それも、短パンでは隙間ができるということで、肌にピタッとくっつくものを履くようにと、小学1年生のころからホームルームなどで教育された。

おかげさまで、僕は小学生になってあの日まで、一度も女の子のパンツを見たことがなかった。

だが・・・・

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駐輪所に向かう途中、奥から自転車を走らせる制服姿を僕の目は捉えていた。

その制服は、例の女子校の高等部のものだ。

柱の陰に身をかがめる。

スロープに自転車が入り込んできた音が聞こえた。

狭いスペースに建てた立駐は、やや勾配のきついスロープ。

このスロープで自転車を押すスカート姿の高校生。

自転車を押してスロープを登れば、スカートとお尻・太ももの間に

ふわっとしたスペースができる。

ひざ丈よりも、もう少しだけ短いスカート

そのスカートを斜め下から見上げれば・・・・

濃い緑と茶色のチェックのスカートの奥には、

白い光沢のある生地に黒の水玉模様のパンツが丸見えとなる。

その水玉パンツのふちは黒のレースになっていて、幼い水玉柄でも、大人用のパンツであることを表している。

水玉レースパンツの高校生を皮切りに、2・3分おきに自転車通学の生徒たちが駐輪所に戻ってくる。

次に来た女性も、チェック柄の高等部のスカート。

そのスカートの中は、ピンクのテカテカとしたパンツだった。

3番目に来た女の子は、中等部の紺色のスカート。

その紺スカートの中には最初の女の子と同じように白地の水玉だったが、やわらかな綿の素材だった。
その布は自転車をこいでいる間に平衡感覚を失ったのか、片方のふちがねじれて、お尻の左側だけを大きく露出している。

4番目の女の子も中等部の紺スカート。

中身は真っ白だった。

5・6・7番目は仲の良さそうな3人組の中学生

順に白黒のボーダー、

白と水色のチェック、

ピンク生地のフルバックにマイメロ

といった全員綿のパンツだった。

そして

来た!!

川越 真凛 さん

僕がまだ3年生だったころ、彼女は一度、

駐輪所のすぐ近くで定期券を落としたことで、僕に名前を把握されている。

チェックのスカートを履いて3年目。

彼女はもう1年も待たずに高校を卒業することになるが・・・・

今日は・・・

白の綿のパンツ。

ピンクのレースがパンツのふちをかたどる。

白いその生地には、いくつもの大きさの異なるイチゴが散らばっている。

だが、その素材は薄手で、肌が透けているようにも見える。

このパンツも・・・4回目か・・・。

4年前。

真凛さんはまだ、紺のスカートを身に着けていた。

その紺のスカートからは、毎日真っ白なパンツが見えていた。

真凛さんがチェックのスカートを履くようになった1年目も、真っ白な綿のパンツが多かったが、少しずつテカテカしたパンツをみるようになり、冬を迎えるころには、ピンクや水色のテカテカパンツも見るようになっていた。
その次の年には、ライトグリーンや、ときには黒光りするものも見た。
このころ、僕は初めてそのテカテカとツヤのあるものを「サテン」と呼びことを知った。

そして・・・

この春から、真凛さんは

イチゴや

ミッキーや

よくわからない動物、

そして、真っ白な綿パンなど

“可愛い”パンツを履くようになった。

中学生の頃の彼女は、何にも染まっていない無垢な女の子だった。

高校生になり、背伸びをして大人びた雰囲気をだそうとした。

ときには色気を誘うためか、男性に対する臨戦態勢もとっていたのかもしれない。

だが、最後には自分らしさを見つけ、好きなものを全うするようになった。

真凛さんは、毎日のパンチラによって、

6つも年下の僕に、人間の成長を示してくれていた。

同級生のパンチラを見たことはない。

でも、この町に友達がいないからこそ、僕は年上の女性のパンチラから

人間の成長過程を学ぶことができている。

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